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論文

進化するサイクロトロンのパルスビーム形成技術

倉島 俊

第7回高崎量子応用研究シンポジウム要旨集, p.35 - 36, 2012/10

サイクロトロンではイオンの加速に数十MHzの高周波(RF)電圧を用いるため、加速後のビームの時間構造は同じ周波数の連続パルスである。放射線化学におけるパルスラジオリシスの実験や、(p,n)反応により発生する中性子の飛行時間計測実験などでは、繰り返し周期の長い(マイクロ秒以上、シングルパルス)イオンビームが求められる。ビームパルス数を大幅に間引くために建設当初から備わっている2台のチョッパーを併用してシングルパルスビームを形成するため、サイクロトロン磁場高安定化やビーム加速位相・位相幅の高精度制御などの技術を開発した。これらの技術開発の結果、プロトンから重イオンビームまでさまざまなイオンビームについてシングルパルスビームをユーザへ定常的に提供することが可能となった。

論文

TIARA静電加速器の運転管理

宇野 定則; 千葉 敦也; 山田 圭介; 横山 彰人; 齋藤 勇一; 石井 保行; 佐藤 隆博; 大久保 猛; 奈良 孝幸; 北野 敏彦*; et al.

第7回高崎量子応用研究シンポジウム要旨集, P. 119, 2012/10

TIARAの3台の静電加速器では、2011年3月11日に発生した東北大地震による損傷はなかった。しかし、その後の計画停電の影響と管理区域入域制限措置により4月下旬までは運転することができなかった。この間に損失したマシンタイムを補うために12日間の土曜日(休日)運転を追加したことで、当初に予定した年間運転計画を達成した。タンデム加速器では、タンクベースフランジからSF$$_{6}$$ガスのリークが見つかったため、新規に角型断面のバイトン製ガスケットを設計し漏洩を防止した。

口頭

グラフト型アニオン伝導電解質膜の作製とその電池特性; 四級アンモニウム塩構造の含水抑制効果

越川 博; 八巻 徹也; 浅野 雅春; 吉村 公男; 前川 康成; 山本 和矢*; 猪谷 秀幸*; 朝澤 浩一郎*; 山口 進*; 田中 裕久*

no journal, , 

アンモニウム塩のアルキル基の1つを長鎖アルキル基にして疎水性を高くすることで耐久性の向上を検討した。エチレン・テトラフルオロエチレン共重合膜に$$gamma$$線を30kGy照射し、クロロメチルスチレンをグラフト重合させた。グラフト膜をトリメチルアミン(炭素鎖数n=1)、エチルジメチルアミン(n=2)、ブチルジメチルアミン(n=4)、ヘキシルジメチルアミン(n=6)溶液中に室温で浸漬させ四級化した。1M水酸化カリウム水溶液にOH$$^{-}$$置換させてアニオン交換型電解質膜を作製した。4ppm硫酸鉄含有3w%過酸化水素溶液に80$$^{circ}$$C、2時間浸漬させるフェントン試験で耐久性を評価した。アルキル基の炭素数nが長くなるにつれ、OHイオン伝導率はわずかに減少したが、耐久試験前後のOHイオン伝導率の割合である電解質基の残存率はnが長くなるにつれ増加し、ヘキシル基ではメチル基より8倍増加したことから、アルキル基の疎水性と立体障害により水酸ラジカルがアンモニウム塩に近づきにくくなるため分解を制御できることが確認できた。

口頭

イオンビームによるテフロンの微細加工

喜多村 茜; 佐藤 隆博; 江夏 昌志; 神谷 富裕; 小林 知洋*

no journal, , 

2種類の異なるイオンビームを用いて、難加工材料であるテフロンの表面微細加工に成功した。材料内での直進性が高いMeV級のプロトンマイクロビームを用い、走査経路と描画速度を制御することによって、高さ250$$mu$$m程度の円錐が作製できた。また、keV級の窒素分子イオンビーム照射を用いてテフロン表面に多数の突起状を形成する前に、あらかじめMeV級のプロトンマイクロビームによるパターン描画を行うことで、突起状表面内に描画形状に沿った滑らかな面を作製することができた。これらの微細構造は、テフロンへのイオンビームの照射によって初めて実現でき、テフロン固有の照射効果によるものである。

口頭

放射性セシウムの計測技術の開発; 農産物等の簡易分析法、土壌から植物への吸収・移行の画像化

尹 永根; 鈴井 伸郎; 河地 有木; 山口 充孝; 田野井 慶太朗*; 中西 友子*; 茅野 充男*; 中村 進一*; 渡部 浩司*; 山本 誠一*; et al.

no journal, , 

農作物などの放射性セシウム(Cs-134及びCs-137)による汚染、あるいはそのリスクに対して、生産者,消費者の双方から極めて強い関心が寄せられている。そのため、食品や土壌,肥料など、膨大な数の試料に対する放射性セシウムの定量分析が求められている。このことから、一般的なNaI(Tl)スペクトロメーターを用いて試料中のCs-134及びCs-137を定量解析する、簡便で追加コストのかからない手法の開発を行った。また、土壌から植物への放射性セシウムの移行性は、土壌の組成、植物の種類、施肥などの諸条件によって桁違いに変わるばかりか、鉱物への固定や有機質の分解などによって時間とともに変化することが示されている。したがって、ある特定の条件下の土壌と植物における放射性セシウムの動態を詳細に解明できる計測系が必要である。そこで、放射性セシウムの土壌-植物系における動態を画像として定量解析するRIイメージング技術の開発研究を進めてきた。本発表では開発に成功した放射性セシウムの簡易分析法と、現在開発を進めている2つの画像化技術を用いた予備的実験結果について報告を行う予定である。

口頭

ガフクロミックフィルム線量計を用いた大面積イオンビームの2次元強度分布測定技術の開発

石坂 知久; 今井 浩二; 百合 庸介; 湯山 貴裕; 石堀 郁夫; 奥村 進; 吉田 健一; 倉島 俊; 宮脇 信正; 柏木 啓次; et al.

no journal, , 

TIARAのサイクロトロンでは、多重極電磁石を用いた非線形集束方式による大面積均一ビーム形成・照射技術の開発を行っている。本方式は、多重極電磁石が作る非線形磁場によりビームのガウス型強度分布を均一分布へ変換できるという原理に基づいている。従来の双極電磁石を用いた走査方式による均一照射とは異なり、ビーム自体を均一に拡大するため、照射野全体を同時かつ連続的に照射することができ、走査方式では困難な短時間での均一照射や低フルエンス(率)の照射が可能であるという特長がある。現在、形成したビームの面積や均一度といった特性の評価のため、ラジオクロミックフィルム線量計の一種であるガフクロミックフィルムを用いた大面積ビームの2次元強度分布測定技術の開発を行っている。フィルムのイオンビームに対する適用範囲を明らかにするため、10MeV陽子、520MeVアルゴン等のビーム照射実験を行った。その結果、材料・バイオ応用研究で必要とされる実用的なフルエンス範囲で強度分布を測定できることがわかった。さらに、この手法を用いて多重極電磁石により集束した陽子ビームの2次元相対強度分布を測定し、ビーム特性を評価した。

口頭

イオンビーム誘起発光を利用した元素・化学状態の分布測定

加田 渉; 佐藤 隆博; 横山 彰人; 江夏 昌志; 神谷 富裕

no journal, , 

イオンマイクロビームを用いた粒子線誘起X線放出(PIXE: Particle-Induced X-ray Emission)分析法では微小試料内部の元素分布が取得可能であるが、各元素の化学状態の分布を取得することは一般的に困難である。荷電粒子と材料との相互作用では、内殻電子の電離による特性X線とともに化学結合に寄与する最外殻電子の励起によるイオン誘起発光(IL: Ion Luminescence)が同時に生じるので、これを分光すれば各元素の化学状態が分析可能である。しかし、1$${mu}$$m程度のビーム径のイオンマイクロビーム照射条件下ではIL強度が微弱なため、それを分光して各元素の化学状態固有の特定波長帯の強度分布を取得するイメージング技術は、これまで確立されていなかった。本研究では、これを実現するため、3MeV H$${^+}$$ビームを使用する大気マイクロPIXE分析系に加えて、大口径集光レンズを用いた顕微光学系,分光グレーティング、及び電子冷却型の光子計数装置とで低雑音・高感度な分光系を構成し、イオン誘起発光顕微イメージング分光(ILUMIS: Ion Luminescence Microscopic Imaging and Spectroscopy)システムを開発した。ILUMISを利用したアスベスト繊維やエアロゾル粒子個別の分析では、スペクトル及びイメージングの両方で、微細試料中の化学状態の分布が明確に計測できることが示された。

口頭

イオンビームによる光機能素子の作製

三浦 健太*; 菊地 秀輔*; 桐生 弘武*; 稲田 和紀*; 小澤 優介*; 花泉 修*; 山本 春也; 杉本 雅樹; 吉川 正人; 川口 和弘; et al.

no journal, , 

イオンビーム照射による発光デバイス及び光スイッチ等の光機能素子の形成技術の開発を行った。発光デバイスの開発では、これまでの成果からSiO$$_2$$部材にSi$$^+$$の注入と、その後の1200$$^circ$$C前後でのアニールにより青色発光することを見いだしており、本研究ではこの部材を用いてより低温のアニールで発光する部材の開発を目指した。Si$$^+$$とC$$^+$$の注入、及び大気中での700$$^circ$$C、25分間のアニールを行うことで、可視領域での発光を観測できた。さらに、Si$$^+$$及びC$$^+$$の注入量の比によって、発光ピーク波長がシフトすることも確認し、発光色を制御できる可能性も示した。一方、光スイッチの開発では、波長1.55$$mu$$m帯のマッハツェンダー(Mach-Zehnder: MZ)型光スイッチの実現を目指し、PMMAにプロトンビーム描画(Proton Beam Writing: PBW)技術で光導波路を描画することでMZ型導波路の製作を試みた。試料として、Si基板上に下部クラッド層のSiO$$_2$$膜(15$$mu$$m)及び光導波路製作層のPMMA膜(8$$mu$$m)を製作した。これに1.7MeV、1$$mu$$m$$phi$$のH$$^+$$ビームを用いてPBWにより8$$mu$$m幅の左右対称に対向したY分岐型の導波路を描画し、さらに、上部クラッド層としてこの照射後の試料にPMMAを10$$mu$$m厚で成膜した。製作した導波路に対して波長1.55$$mu$$mの光を通した結果、出射光が一つであることを確認し、MZ型光導波路として光波の分岐及び合流が行えることを示した。

口頭

タングステンに対する10MeV重陽子入射中性子二重微分収量の測定

執行 信寛*; 西澤 知也*; 石橋 健二*; 岩元 洋介; 松田 規宏; 坂本 幸夫*; 萩原 雅之*

no journal, , 

高強度中性子源として、10MeV程度の重陽子ビームを用いた加速器施設が挙げられるが、ビームダンプとして有用なタングステンから生成する中性子のエネルギー・角度二重微分収率(TTNY)に関する測定例はなかった。そこで、本研究では、タングステンと10MeV重陽子入射との反応によるTTNY測定を行い、計算コードPHITS及びTALYSによる結果との比較を行った。実験はTIARAの第1重イオン室で行った。0.15mm厚さのタングステンを真空チェンバー内に設置し、検出器として直径、厚さが5.08cmのNE213液体有機シンチレータを使用した。発生する中性子の測定角度は、重陽子の入射方向に対して、0$$^{circ}$$, 15$$^{circ}$$, 30$$^{circ}$$, 60$$^{circ}$$の4方向とし、ターゲットと検出器間の距離を2mとした。また、飛行時間法により中性子エネルギーを導出した。PHITS及びTALYSの計算は、広い中性子エネルギーにわたって実験による中性子収量を過大評価することがわかった。また、PHITSによる計算値は、物理モデルQMDにおいてQ値の取り扱いに問題があるために、中性子の最大エネルギーを過大評価することがわかった。

口頭

核子あたり13MeVの$$^{20}$$Ne入射によるベリリウム及び鉄の中性子及び荷電粒子生成断面積測定

岩元 洋介; 松田 規宏; 坂本 幸夫*; 萩原 雅之*; 佐波 俊哉*; 執行 信寛*; 西澤 知也*

no journal, , 

低エネルギー(核子あたり15MeV以下)重イオンビームを用いた加速器施設において、ターゲットや加速器構造材から生成する中性子及び荷電粒子の二重微分断面積(DDX)に関する測定例はなかった。そこで、本研究では、ベリリウム及び鉄と核子あたり13MeVの$$^{20}$$Neビームとの反応により生成する中性子及び荷電粒子(陽子,重陽子,トリチウム,ベリリウム等)のDDX測定をTIARAの第1重イオン室で行い、計算コードPHITSによる計算値との比較を行った。15$$mu$$m厚さのベリリウムと1$$mu$$m厚さの鉄ターゲット、及び荷電粒子測定のための異なる2つの厚さを持つSSD検出器($$Delta$$E-Eカウンタ)を真空チェンバー内に設置した。中性子検出器として直径,厚さが約5.1cmのNE213液体有機シンチレータを使用し、ターゲット中心から2mの位置に設置した。中性子に関して、PHITSの計算は実験値を約3倍過大評価することがわかった。一方、トリチウム生成に関しては、$$^{20}$$Ne入射方向に対して30$$^{circ}$$及び60$$^{circ}$$において実験値をよく再現した。今後、多くの荷電粒子生成断面積を解析により取得し、低エネルギー核反応モデルの記述を包括的に検証する。

口頭

$$gamma$$線照射による焼却灰のセメント固化体からの水素ガス発生

中山 卓也; 川戸 喜実; 目黒 義弘

no journal, , 

原子力機構で発生した可燃物,難燃物の放射性廃棄物は焼却処理し、セメント固化体として廃棄体化することが検討されている。セメント固化体は水の放射線分解により水素ガスが発生するおそれがあるため、廃棄体の健全性を評価するため水素生成のG値の算出を試みた。$$^{60}$$Coを線源とする$$gamma$$線照射を1時間行ったところ、焼却灰セメント固化体の吸収線量は2.7kGyであり、30から50$$mu$$Lの水素ガスが発生した。吸収線量,固化体重量及び水素ガス発生量から求めた焼却灰セメント固化体のG値は、1.22$$pm$$0.18molecule/100eVであった。

口頭

電子・$$gamma$$線照射施設の運転・整備・利用状況

上松 敬; 春山 保幸; 花屋 博秋; 山縣 諒平; 清藤 一; 長尾 悠人; 金子 広久; 山口 敏行*; 八木 紀彦*; 高木 雅英*; et al.

no journal, , 

電子加速器及び$$gamma$$線照射施設はほぼ年間計画通り照射運転を実施した。電子加速器の運転時間は1059.3時間であり、平成22年度と同程度であった。$$gamma$$線照射施設の運転時間は、第1棟が18,722時間、第2棟が9,976時間、食品棟が7,427時間であり、平成22年度と比較して、第1棟では10%減少し、第2棟は同程度、食品棟は5%増加した。電子加速器は、加速器タンク内の電子流制御回路の故障とSF$$_{6}$$ガスへの空気混入の2つのトラブルが重なった。空気混入の原因となったSF$$_{6}$$ガス回収装置の修理を行い、SF$$_{6}$$ガス精製装置による精製と、電子流制御用光リンク回路の修理を行った。$$gamma$$線照射施設は、7月にコバルト第2棟の水抜き点検を実施した。$$^{60}$$Co線源は、毎年、減衰分補充のための新規購入及び長期間使用し減衰した線源の処分を実施している。今年度は、コバルト第2棟に6本を配置し、22本の古い線源を処分した。電子加速器及び$$gamma$$線照射施設の年間利用件数はともに近年減少傾向である。福島関連の利用は、電子加速器で15回、$$gamma$$線照射施設で61回の利用があった。施設供用の利用形態別実施状況は平成22年度と比較して全体的に増加傾向であった。

口頭

二酸化ウラン中のネガティブクリスタルが拓く新しい科学

芹澤 弘幸; 芳賀 芳範; 町田 昌彦; 中村 博樹; 山中 伸介*; 大石 佑治*

no journal, , 

ネガティブクリスタルの形状は、結晶成長の基本形状とも関連しているため、その形成及び成長メカニズムは物理学的に興味ある研究対象である。また一方で、塊状単結晶中に発生したネガティブクリスタルは、そのミステリアスな外観と希少性から宝石として珍重されている。しかしながら、その形状を任意にコントロールすることはできない。われわれは本論文で、最近発見したネガティブクリスタルの成長過程について報告する。われわれは、UO$$_{2}$$中に析出したヘリウムがネガティブクリスタルを形成する媒体になることを発見した。本論文では、変形メカニズムについて論ずる。われわれの研究成果は、ヘリウムの析出条件をコントロールすることによって、任意の形状のネガティブクリスタルを形成せしめる可能性を示唆している。

口頭

PIXE-CTにおけるSTIM-CTとML-EMを用いた濃度補正の効果

佐藤 隆博; 江夏 昌志; 加田 渉; 横山 彰人; 大久保 猛; 山崎 明義; 石井 保行; 神谷 富裕

no journal, , 

PIXE(particle induced X-ray emission)-CT(computed tomography)の空間分解能の向上のために、ML-EM(maximum likelihood expectation maximization)を用いる場合、入射ビームのエネルギー減弱や試料中のX線の吸収補正をすることが必要と考えられる。われわれは、STIM-(scanning transmission ion microscopy)-CTの測定結果から、画素ごとにビームエネルギーとX線の吸収を考慮しX線の検出確率を補正する方法を開発した。今回その補正の効果を検証するために、一般的な生体と同程度の密度で、サイズが100$$mu$$m以下のタンパク質中にリン(P)と鉛(Pb)を微量に含む数値ファントムを作製した。その数値ファントムを実際のPIXE/STIM-CTと同程度の9$$^{circ}$$ずつ回転させた投影像を用いて、入射したイオンビームのエネルギー減弱及びX線の発生と吸収からX線の検出確率を計算し画像再構成を行った。その結果、Pなどの軽元素の場合、補正なしでは試料の外周で分布が強調されるが、補正することでその強調がなくなり、最初に仮定した数値ファントムに近い再構成画像が得られた。また、Pbなどの重元素では試料の外周での分布の強調は見られなかった。これらの結果から、PIXE-CTにML-EMを用いてPなどの軽元素の分布を得る場合、われわれが開発した補正法が有用であることが示された。

口頭

Micro PIXE cameraによる放射線感受性マイクロカプセル集積度とCT吸収値との関連性

原田 聡*; 江原 茂*; 石井 慶造*; 佐藤 隆博; 江夏 昌志; 神谷 富裕

no journal, , 

放射線照射により抗癌剤を放出するマイクロカプセルを開発し、それを用いた薬剤標的療法を研究してきた。これは、腫瘍周囲皮下組織へ注入後放射線照射を照射すると抗癌剤が放出され、放射線との相乗効果により抗腫瘍効果が増強するが、薬剤限局化作用により抗癌剤の副作用が軽減するというものである。本手技を臨床応用するにあたり、腫瘍周囲への集積度を非侵襲的に測定する必要がある。今回、カプセル集積度を臨床で広く使用されているCT装置を用いて測定可能か検討するため、CT装置の測定結果とマイクロPIXEカメラによるカプセル集積度の測定結果を比較した。その結果、CT画像上でカプセルは腫瘍周囲に優位な高吸収として描出され、マイクロPIXEカメラで測定したマイクロカプセル数と強い相関を示し、腫瘍周囲のCT値からカプセル数の推定が可能であることが示唆された。

口頭

鉄鋼中の微量ホウ素のマイクロビーム核反応三次元分析

柴田 裕実*; 幸野 豊*; 佐藤 隆博; 大久保 猛; 山崎 明義; 石井 保行; 横山 彰人; 江夏 昌志

no journal, , 

鉄鋼材料に微量のホウ素を添加することにより強度が増すことは経験的に知られているが、そのメカニズムについてはまだ十分に解明されていない。ホウ素の局所的な空間分布の定量分析ができれば、鉄鋼材料の強度特性とホウ素分布の関係を明らかにし、ホウ素分布の最適化を図ることができる。材料中に含まれる微量のホウ素分布を定量的に精度よく測定するために、陽子マイクロビームを用い、陽子とホウ素との核反応を利用した二次元及び三次元イメージング法を確立することが、本研究の最終的な目的である。2011年度は、ホウ素の深さ方向の分布を調べるため、TIARAの大気マイクロPIXEのポートで1$$mu$$m径の陽子マイクロビームを用い、陽子とホウ素の核反応で放出される$$gamma$$線の二次元分布について、入射陽子のエネルギー(1.5$$sim$$2.3MeV)依存性の測定を行った。その結果、同じ測定位置で異なる二次元分布を得られたことから、ビームエネルギーを変化させ深さ方向の分布を測定することが可能であることがわかった。今後、エネルギーごとに標準試料を測定し、その結果から各深さのホウ素の量を算出する。

口頭

核反応による歯質中のフッ素分布測定,11

小松 久憲*; 松田 康裕*; 大木 彩子*; 橋本 直樹*; 奥山 克史*; 山本 洋子*; 能町 正治*; 菅谷 頼仁*; 安田 啓介*; 佐藤 隆博; et al.

no journal, , 

作製した人工歯質(エナメル質)に対してpHサイクル処理を施して人工的にう蝕状態を形成した後、マイクロPIGE/PIXE(particle induced X/$$gamma$$-ray emission)を用いて、歯質断面のう蝕部のカルシウムとフッ素の濃度分布を測定し、う蝕予防に有効であると広く認識されて普及しているフッ素を含有した治療材料のう蝕 抑制効果を評価してきた。本研究では、フッ化物含有歯磨剤やフッ化物洗口を模したNaF溶液を注入した群と、注入しない群について、自動pHサイクル装置によって人工う蝕を作製した後、フッ素の歯質内分布を測定し、う蝕抑制効果を評価した。その結果、NaF溶液を注入した群のう蝕部のフッ素濃度分布は、NaF溶液を注入しない群に対して、有意に高い値を示した。う蝕の進行に伴い、注入したフッ素が再石灰化によって歯質に取り込まれ、う蝕の進行を抑制したものと考えられる。このことから、フッ化物含有歯磨剤やフッ化物洗口は、う蝕抑制に有効であると評価できた。

口頭

続発性肺胞蛋白症肺組織切片のin-air micro-PIXE解析

清水 泰生*; 松崎 晋一*; 土橋 邦生*; 森 昌朋*; 佐藤 隆博; 江夏 昌志; 横山 彰人; 大久保 猛; 石井 保行; 神谷 富裕

no journal, , 

肺胞蛋白症(pulmonary alveolar proteinosis: PAP)は、肺胞腔内や終末気管支内にサーファクタント由来物質が異常に貯留し、呼吸障害を来す稀少肺疾患である。PAPには、自己免疫性と続発性があり、自己免疫性PAPは、肺マクロファージ内の鉄(Fe)の蓄積が原因との報告がある。一方、続発性PAPの原因の1つは、粉塵吸入であると考えられているが、Feの蓄積との関係が不明なことから、続発性PAPの肺組織切片における粉塵量とFeの蓄積について、in-air micro-PIXEで解析を行った。その結果、続発性PAP組織からFeやケイ素(Si)を多く含んだ微細な炭粉様粒子が検出された。さらに、サーファクタントが貯留した部位に存在する泡沫状肺胞マクロファージ内には、Feが多く検出された。一方、PAPでない肺ではこれらが観察されなかった。これらの結果から、続発性PAPにおいても肺胞マクロファージ内のFeの蓄積がみられることが明らかとなり、PAPにおける病気の進行のマーカーとして、in-air micro-PIXEを用いたFeの分布測定が有用であることが示唆された。

口頭

陽電子マイクロビーム及び電子ビーム誘起電流測定法を併用した半導体中の欠陥空間分布の観察

前川 雅樹; 河裾 厚男

no journal, , 

電子ビーム誘起電流測定法(EBIC)は、半導体に電子線を照射することで誘起される電子正孔対が、欠陥での再結合により減少することを利用して欠陥の分布や形状をコントラストとして得る方法である。一方で、走査型陽電子顕微鏡(SPM)を用いた陽電子消滅測定では、空孔型欠陥の空間分布を得ることが可能である。本研究では、われわれがこれまで開発してきたSPM装置にEBIC測定系を組み込み、EBICコントラストと空孔型欠陥との関連を調べるシステムを構築した。シリコンにヘリウムイオンを照射した試料をEBIC法で測定したところ、イオン照射領域に再結合中心由来のコントラストが観測された。SPM法で測定した場合には、同じ領域で空孔型欠陥の存在を示す消滅$$gamma$$線エネルギースペクトルのピーク強度の増大が観測された。このようにEBICとSPMの同時測定から、EBIC測定により得られたコントラストが空孔型欠陥を含んでいるかどうかを判別することが可能となった。

口頭

大気マイクロPIXEによる貧血の病態解明; C型慢性肝炎患者のインターフェロン治療における検討

阿久津 泰斗*; 富岡 智*; 長嶺 竹明*; 佐藤 隆博; 江夏 昌志; 神谷 富裕

no journal, , 

ペグインターフェロンとリバビリンとの2剤併用療法は、難治性C型慢性肝炎に対する標準的な治療法として用いられてきたが、その治癒率は40$$sim$$50%程度であり、貧血などの副作用がある。一方、インターフェロン、リバビリン、プロテアーゼ阻害剤の3剤併用療法では、治癒率が70%以上になるものと期待されているが、貧血などの副作用も、より高頻度に起こり重症化する。本研究では、インターフェロン治療によって貧血を発症した患者の赤血球内の微量元素分布を、大気マイクロPIXE(particle induced X-ray emission)分析システムを用いて観察した。その結果、インターフェロン+リバビリン治療を受けた患者の赤血球内の鉄(Fe)の分布は、細胞の辺縁へ分布する傾向を示し、インターフェロン+リバビリン+プロテアーゼ阻害剤の3剤併用では、その傾向が顕著となることがわかった。このように、C型慢性肝炎患者の赤血球に対してマイクロPIXE分析技術を用いることにより、投与した薬剤の違いで赤血球中で酸素と結合する重要な元素である鉄の特徴的な分布を検出できたことから、今後これを応用して 薬剤投与の副作用として発症する貧血の病態解明が進むと期待される。

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